「獣已行」。それはヤマシタが高校生の時分に発表した漫画の、最後のコマに書かれた言葉である(本来は中国の故事にあるフレーズのようだが、詳細は不明)。世紀末も押し詰まり、20世紀最後のミクリ。地球滅亡説・Y2K問題と何かと緊張感のあった1999年が過ぎ、「猛り狂う獣は既に行ってしまったことよ。安堵すれどもその行く先は見えず、ただ茫洋と新世紀が目前に広がるばかりだ」と詠嘆する、2000年のミクリである。若きヤマシタの作品は、奇しくも2000年を生きる我々のハートにぴったりマッチしたのであった。 そうはいっても、作品内容は相変わらずのマイペースぶり。果たして展覧会ごとのサブタイトルって、わざわざつける意味あるのか?と自分たちにつっこみたくもなる。 さて、今回もささやかな共同制作を試みた。”ある言葉に対する、各人各様の勝手なイメージづけ”については、ミクリ内でも以前から注目しているところだが、今回は「閑古鳥」という単語を取り上げ、各メンバーの閑古鳥イメージを形にしてみた。あなたの「閑古鳥」はどのタイプ? 宣伝ハガキ用の写真もカワハラが担当し、あるお客様から「この世のものとは思えない物語/捨ててあるサビたクギの世界」との衝撃的(??)コメントをいただいた。この言葉は、ちんまり地味な割になんか不穏、というミクリのカラーを鋭く言い当ててくださっているようにも思え、印象深かった。恐らく21世紀もこんな感じのミクリだ。 <カワハラ> |
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イメージの創痍シリーズその1−閑古鳥(2000:紙・糸) |
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トタン(2000:写真を単色コピー 245×360mm) どうぶつ(2000:カビネ版) サイン(2000:カビネ版) 町が老いることについて(2000:カビネ版 サービス版) 花(2000:カビネ版 サービス版) スナッピングポインツ2000(2000:) |
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Still 1(2000:油彩 F10) Still 2(2000:油彩 F10) Still 3(2000:油彩 F12) Still 4(2000:油彩 F12) Still 5(2000:油彩 F12) Still 6(2000:油彩 F12) |
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脳エリマキ(2000:襟巻き・ハギレ 1260×190×80mm) 走る脳(2000:リモコンカー・ハギレ 210×195×78mm) 脳占い(2000:木材・バネ・ビー玉 210×320×100mm) 走る脳天気(2000:) |
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バーミリオン(2000:グアッシュ F30) ウルトラマリン(2000:グアッシュ オーバンド#14,#18 F30) ほぼジェッソ(2000:ジェッソ他 F30) |