記憶だけで書こう!思い出のミクリ10 今を去ること22年前(これ書いてるの2025年です)、若さに任せて半ば強引にほぼ年一のペースで続けてきたミクリ展覧会が、なんと10回目を迎える事態になっていました。展覧会数二けたになるなんて始めた当初はだれが予想できたことでしょうか。 今になって振り返ると、それまで地下インディース活動してたミクリが、10回記念をいいことに、ここぞとばかりに張り切って一時的にメジャーデビューしちゃったかのような華やかさがあった。それまでの展覧会とは違った独特な高揚感、ある意味派手さがあった回だったように思う。場所は池袋の東京芸術劇場の広大な展示を、贅沢に使用。搬入の時、会場がキラキラし過ぎてて、ちょっと自分の作品が分不相応なのでは、とか、広い会場の壁が全部埋まるのか等、不安がよぎりましたが、そんなのは実に何でもなかった。ミクリ各位の力強い新作に加え、ミクリの歴史を振り返る意味で伝説の旧作品なども展示したところ、会場はあっという間に隙間なくパツパツになったのだった。 おっと、ここまで書いて白状するのですが、ごめん!どんな作品があったかはまるで覚えてないわ。作品リスト手元にないし。 でも、本宮氏が巨大なうめのはりぼてガチャガチャを作ったのはよく覚えている。うめさんの腹に把手があって、回すと口からおみくじが入ったカプセルをはき出すのであった。これは大人にも子供にも大人気で、みなさん回し過ぎて、最後は故障してしまったんじゃなかったか?確か。これは頭部が取り外せるようになっていて、皆でかわるがわる頭にかぶって、うめ人間ごっこして遊んだりした。すっかり気分が高揚したわたしは、「これかぶってエスカレーター降りてくるから、動画撮って!」と他ミクリ3人に告げ、うめの張りぼてをわきに抱えて、東京芸術劇場の長―いエスカレーターで上階まで登ったところで、急に羞恥心が生まれてしまい、下りエスカレーターへの一歩がなかなか踏み出せず逡巡していたところ、階下で、三人が満面の笑顔でカメラをじっと構えているのを見て、もう逃げられないと、意を決し、うめ人間になってエスカレーターを下ってきたのでした。あのときの動画まだあるのかしらん。本宮さん以外の作品で覚えているのは、河原君はすごくたくさんの写真と少しのアクリル画を出していたということ。沓澤さんは油彩の小品を出していたということ。ハガキとポスターのデザインはわたくし山下が担当した。当時住んでいたイギリスから日本へデザインの原画を郵送したら、本宮さんのいいお仕事によって、ものすごくかっこいいハガキとポスターになってしまったことに満悦至極して、肝心の作品の方は手抜きになってしまったのが悔やまれる。他ミクリ三人の作品のクオリティが高くて、山下ちょっとしょぼーんな状態でした。 場所が場所だったので、招待した人々以外にも行きずりの通行人がたくさん見て行ってくれたので、ミクリ史上最高の観客動員数を記録した(と思う)。見に来てくださった方々よ、知ってる人も知らない人も誠にありがとうございました。 この華々しい10回目を最後にミクリは20年以上の休眠期間にはいるのであった。そして2024年に再始動の天命が下る…。つづきはミクリ11回でどうぞ! <ヤマシタ> |
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連作・東京の屋根の下 「印刷工」(II 1994:F30 油彩) 「露天新聞屋」(II 1994:F30 油彩) 皆、玄関以外から出ようとしてゐる(IV 1996:F30 アクリル) 壁打(V 1997:B2 アクリル) かば焼き、やわた焼き、きもすいなどが普通である。ただし真のうまさは白焼きにかぎるやうだ(V 1998:B2 アクリル) ポピドンヨードの空(VI 1998:B2 アクリル) ほぼジェッソ(VIII 2000:F30 アクリル) 連作 終わりのちょっと前 1〜3(新 2003:A3 水彩) |
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金星(I 絵画/1990:F3 油彩) それで岸に戻る(IV 写真/1993?:於 江戸東京博物館) 幻の光I(IV 写真/1993?:於 江戸東京博物館) ラベンダー(V 写真/1997:於 都立小金井公園) 緑の庭(VI 写真/1998:於 東京都渋谷区+都立旧古河庭園) ミクリ島(VI 写真/1998:於 神奈川県猿島) 獣巳行(VIII 写真/2000:於 東京都品川区) トタン(VIII 写真/2000:於 東京都墨田区) 丘(IX 絵画/2001:F3 アクリル) 土手(新 写真/2002:於 東京都北区) スナッピングポインツ レトロスペクティブ(新 写真/1993-2003) |
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composition(II 1994:板にオイルスティック・さびカラー 410*315mm) untitled(V 1997:キャンバスに油彩 645*533mm) untitled(VI 1997:キャンバスに油彩 455*530mm) untitled(VI 1998:キャンバスに油彩 455*530mm) untitled(VII 1999:キャンバスに油彩 410*315mm) still-1(VIII 2000:キャンバスに油彩 530*455mm) still-3(VIII後加筆 2002:キャンバスに油彩 500*606mm) untitled(IX後加筆 2002:キャンバスに油彩 530*455mm) untitled(IX 2001:キャンバスに油彩 652*530mm) untitled(新 2003:キャンバスに油彩 530*728mm) untitled(新 2003:キャンバスに油彩 606*500mm) |
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玉ころがし機(IV 電動玩具/1996:W280*D120*H245mm 木材・モーター他) 明滅するパンク青年(VI 電動玩具/1998:座高240mm フラッシュライト・ペットボトル他) 馬四駆2(VII 電動玩具/1999:W140*D75*H205mm リモコンカー・電子部品・シルキークレイ他) 脳占い(VIII 手動玩具/2000:W315*D200*H100mm 木材・バネ) 走る脳(VIII 電動玩具/2000:W225*D185*H75mm リモコンカー・布・綿) 内臓〜ノスタルジア(IX 絵画/2001:W227*H159mm アクリル) 民芸品(IX 手動玩具/2001:W76*D28*H59mm チョロQ・不動産広告) ミクリ10年記念対談(新 冊子/2003:B5版32P) ベンダーマシーン うめ(新 ガシャポン張子/2003:W1450*D350*H550mm 段ボール・新聞・半紙他) くじら姫、頭は空へ(新 絵画/2003:W330*H490mm アクリル) |