ミクリミトロポリV:カワハラ作品


陽の光が影をつくり、ものはかたちを顕します。
ものは写真という次元におさめられて、光も影もいっしょくたに圧縮され残されます。
異次元に顕されたかたちは、事実上「奥行き」や「重量」や「匂い」や「音」を失い、ただ
光と影のみとなります。かたちは、おおいに不具となるのです。
しかしながら往々にして、不具のかたちは、それを見る人によって、それを見る人の
中に、失われた様々な要素を補われます。
人は、失われたはずの「奥行き」を、まぼろしとしてそこに見ます。「重量」を、まぼろし
として感じます。「匂い」や「音」も然り。
写真を見るということは、まぼろしを見るということです。
まぼろしは、ただ光と影の中にひそむのです。



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「常盤台写真場」


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「大川邸〜窓辺 ×2」


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「皇居正門石橋飾電燈」


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「虫干しの花 ×2」


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「蓮の花」


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